みちるんさん、はじめまして。私は今、○○という大学病院(自主規制)に勤めている2年目の看護師になります。
実は、職場でいじめに遭っていまして、この前もみんなが聞こえるように「またミスしたの?」、「なんでこんな簡単なことができないの?」などなど、プリセプターが代わってここ3ヶ月くらいずっとこんな調子です。はじめは耐えられていましたが今は職場に行くのも辛くなってきています。
あんなに看護師に憧れていたのに今は看護師を辞めたくて辞めたくてつらいです。今の職場を辞めるのも一つの手だとは思いましたが、その前にいじめていた相手に何か仕返しができれば少しは気が晴れるのかな?と思っています。ぜひぜひ、アドバイスをおねがいいたします。
結論から言うと、いじめは仕返しをせずに関与しないのが最善策です。しかし、さまざまな事情から「どうしても仕返しがしたい」、「やり返さなきゃ気がすまない」といった看護師も少なくありません。
そこで今回はご相談の内容に対して、職場でいじめを受けているけど仕返しがしたい看護師さんに向けて、スマートで効果のある『いじめの仕返し方法』を解説していきます。結論から言うと、確実に効果のあるいじめの仕返し方法は、いじめの記録をしっかりと残して、然るべき場所に相談することです。
現在の職場でいじめに遭っている方やいじめた相手に仕返しの対応方法を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
- 看護師歴:15年(付属大から大学病院に入職)
- 看護師経験:急性2年→慢性3年→外来3年→訪看3年→特養2年
- ブランク:出産&育児で3年半ほど
- 転職歴:7回(利用したサイトは2ケタのベテラン)
- 神奈川県在住、2児の母
確実な看護師いじめの仕返し方法3つの手順で解説
看護師いじめに仕返しする方法はいろいろとありますが、仕返しの仕方を間違えるとあなた自身が不利な立場になってしまいます。したがって、スマートに確実に仕返しする方法は、以下の手順で実行していきます。
- できる限り証拠を集める。
- 証拠を時系列にまとめる。
- 然るべきところに相談する。
下のタブを切り替えてそれぞれの詳しい内容を確認してください。
確実にいじめの仕返しをする場合は、なんといってもまずは仕返しに必要ないじめの証拠を集めましょう。
- 会話内容をボイスレコーダーで録音する。
- 荒らされたロッカーや私物を画像に保存する。
- 日記やメモ帳に会話内容やされたことを列記する。
看護師が受けるいじめのほとんどが言語によるものがほとんど。中にはロッカーを荒らしたり、私物を隠されたりすることもありますが、いじめる側もストレス発散目的でしていることが多く、わざわざ警察沙汰になるような方法でいじめてきません。
言葉によるいじめには、ボイスレコーダーで録音する方法で証拠を集めるのがおすすめです。Amazonなどで持ち運びに便利な小型のボイスレコーダーやペン型のボイスレコーダーもあるので、外見からバレないものを入手しておきましょう。ただし、就業規則によって職場内の録音や録画が禁じられている病院もあるので、あらかじめ就業規則を確認の上、録音が問題ないようであれば、ボイスレコーダーで録音しておきましょう。
就業規則で職場内の録音・録画が禁じられている場合、日記やメモ帳に勤務中に受けたいじめの内容を客観的かつ詳細に明記しておきましょう。ボイスレコーダーよりも証拠としての実用度は低くなりますが、1ヶ月分程度(20勤務)のいじめの証拠が蓄積していれば、証拠としての役目は充分に果たせます。
就業規則が分からない場合、つらいと思いますが前述の日記やメモ帳に列記する方法をおすすめします。実は過去に就業規則で禁止されているにも関わらずに職場内を録音・録画したとして解雇された事例があるためです。(T&Dリース事件 大阪地判H21.2.26)
就業規則が手元になかったり隠密に証拠を集めたい人は、少し面倒ではありますがボイスレコーダーで録音しつつメモ帳などに列記するそれぞれの方法を同時並行で取り組んでみることをおすすめします。ボイスレコーダーであれば半月分(10勤務)、メモ帳などであれば1ヶ月分(20勤務)程度の証拠が集められれば、問題ありません。
続いては、相談すべきでない人の具体例をみていきましょう。
相談してもムダ!看護師いじめの仕返しに相談すべきでない人
あなたがもし、いじめに遭っていて身近な人に相談しようと考えているなら、以下の人は相談するだけムダなので、辞めておきましょう。
- プリセプター
- 主任や先輩看護師
- 師長(部長などがいる場合)
- パワハラ対策委員会
- 転職エージェント
下のタブを切り替えてそれぞれの詳しい内容を確認してください。
相談すべきでない人1. プリセプター
一番相談してはいけないのが、プリセプター(教育係)です。
もはや相談する時間がもったいないし、むしろ一番最初にいじめてくる陰湿な相手No,1とも言えます。プリセプター自身が新人だった頃、いじめられていた側の人間だった場合、自分より弱い立場の人間を真っ先に攻撃(いじめて)くることがほとんどです。教育係という立場を利用して、普段のストレスのはけ口に新人看護師をいじめるのが通過儀礼な病院もあるほど。
別のプリセプターに相談する手もありますが、基本的に「看護師の職場いじめ」はプリセプターごときが解決できる問題ではないと割り切ってしまったほうがムダな期待もせずに済みます。もし、看護部長や師長に相談しようとしても「イマイチ相手にされない」場合は、プリセプター経由で相談するのも一つの手ですが、あまり期待しない方が無難です。
続いては、本気でいじめの仕返しをしたい人向けに朗報です。
看護師いじめの仕返しに役立つ「パワハラ防止法」
パワハラ防止法は、看護師いじめの仕返しを推奨するものではありませんが、病院側や対象医療機関などに再発防止を義務付ける強力な法律です。パワハラ防止法の施行に伴って、以下のハラスメントも再発防止に盛り込まれることとなりました。
- パワハラ(パワーハラスメント)
- モラハラ(モラルハラスメント)
- マタハラ(マタニティハラスメント)
職場でいじめに遭っている場合、以下の内容を参考にパワハラ等に抵触しないかを確認してみましょう。
要件定義 | パワハラ等に抵触する | グレーゾーン |
---|---|---|
身体的な攻撃 | 殴る 叩く 物を投げる | 環境的な要因などで誤ってぶつかる |
精神的な攻撃 | 人前で叱責する 大声で叱責する 人格を否定する言動を繰り返す | 一定程度以上強く指導 |
人間関係からの切り離し | 集団で無視をする 他の看護師に関与させない 患者さんなどの情報をわざと共有しない | 教育目的で別室で研修 |
過大な要求 | 明らかに受持ちを増やす 休日出勤を強要する 私的な雑務を強要する | 繁忙期で通常よりも多い業務量を課す |
過小な要求 | 嫌がらせで仕事を与えない 掃除や雑務だけさせる 意図的にシフトを削る | 能力に応じて、業務量を軽減する |
個の侵害 | 性的指向や性自認の暴露 私生活や病歴の暴露 配偶者や親族等の嘲笑・非難 | 慮って、家族の近況を聞く |
上記のパワハラ等に抵触する行為を受けていた場合、職場に対して再発防止を求めることができます。改善が見られない場合、病院名とパワハラの事実が公表されるため、病院の評判を落とすという意味では単なる罰則以上に強力な法律といえるでしょう
続いては、やるだけムダな効果の薄い仕返しのNGパターンをみていきましょう。
効果の薄い看護師いじめの仕返し5パターン
やってもムダ・効果がない・自分自身が不利になるだけなどなど、デメリットしかない仕返しのNGパターンは以下の通りとなります。
- いじめた相手を仕事で見返す
- 患者さんを巻き込む
- 相手の直接仕返す
- 退職時に暴露する
- SNSで暴露する
下のタブを切り替えてそれぞれの詳しい内容を確認してください。
NGパターン1. 仕事で見返す
やっても効果の薄いいじめの仕返し方法は、仕事で見返すこと。例えば、以下のように仕事で見返そうと頑張る人がよく見かけます。
- 文句を言われないように行動で示す。
- 社内政治で相手よりも高い役職に就く。
- 相手のミスをカバーし、その旨を周知する。
「アイツよりも高い役職に就いてグウの音も言わせない」、「あっ○○さん(いじめてくる相手)、あなたのミスをカバーしておきましたよ」などとデキる看護師を目指して頑張ることは悪いことではありません。ただし、目的が果たされるのは何年後でしょうか?もしかしたら相手が先に別の職場に転職していることも十分に考えられます。
一方で勘違い甚だしい看護師だった場合「わたしの指導で改善された」などとあなたの頑張りを根こそぎ横取りしてくることも…。仕事で相手を見返してやることは建設的かつ誰も傷つけない方法ではありますが、あまりに時間がかかりすぎて現実的ではありません。そもそも、相手より上位に出世できるくらい評価される仕事ができるくらいならいじめられていませんよね。
続いては、看護師いじめの仕返しについてよくある質問について、みていきましょう。
看護師いじめの仕返しでよくある質問
これからいじめの仕返しをしようと思っているまたはいじめの相談を受けている看護師仲間数名に確認したところ、以下のような質問が寄せられました。
これまでの内容を振り返って、最後にまとめとします。
看護師のいじめは仕返しせずに関与しないことがベスト
これまでに看護師いじめの仕返し方法について、確実な方法や効果の薄い方法など紹介してきました。
でも本当にベストな方法は、いじめられたとしても関与しないのが最善策です。実はいまあなたをいじめている看護師も入職したての頃は、プリセプターや先輩看護師、師長などからいじめを受けていたことがほとんど。いじめは許される行為ではありませんが、仕返しをするとしても時間や労力がかかり建設的ではありません。
わたし自身、新人看護師のときにプリセプターからいじめを受けていました。「コイツにギャフンと言わせてやる!」と意気込んでさまざまな証拠を集めていました。知り合いの弁護士にも相談して徹底的にやってやると秘密裏に活動をしている最中、年度替わりで新しい師長が赴任してきた途端にプリセプターからのいじめは止みました。新しく赴任してきた師長に今度はプリセプターがいじめられるようになったのです。新年度になり、GWを迎える前にわたしをいじめていたプリセプターはひっそりと辞めていきました。
実際にわたしだけでなく他のいじめに遭っていた看護師仲間のケースにおいても、いじめる側がいじめられる側になるなんてことはよくあることです。中には絶対的な権力を握っている師長が次々にいじめの対象標的(ターゲット)を変えるなどのいじめ帝国が築かれている職場もあります。
いじめてくる人間と関わっても良いことは一つもありません。いじめが横行しているような職場は周りの人がなんとかしてくれるなどと淡い期待などせずにさっさと辞めて、あなたが落ち着いてのびのびと働ける職場を探したほうがはるかに健全です。何よりあなた自身が幸せになれます。自分自身の限界を超えて、心や身体に取り返しのつかない傷を負ってしまう前にあなたが幸せになれる方法を検討してみましょう。
自分のためにもあなたの大切な人のためにも、笑顔で心穏やかなあなたを取り戻してくださいね。
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