- 退職代行サービスを利用したいけど、いくらかかるのか不安。
- 料金によってサービス内容が変わるのか心配…。
- 利用しようとしている業者の料金が適正なのか知りたい…。
あなたの代わりに退職の意思を伝えてくれ、ムダなプレッシャーを感じずに済むと人気なのが退職代行サービス。さらには退職後の転職サポートを行ってくれるなど、20代の若い世代を中心に人気を集めています。
でも、利用者の多くは、実際に会社を退職できるまで不安は尽きないもの。お金を払って、退職代行サービスを利用するとなると不安は増すばかりです。
そこでこの記事では、退職代行サービスの料金相場やコスパの良い退職代行業者の選び方を解説していきます。
- 退職代行業者の料金相場が分かる。
- コスパの良い業者の選び方が分かる。
利用しようとしている業者が適正価格なのか知りたい方や退職代行の料金相場が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
退職代行業者の料金相場は運営団体によって異なる
退職代行サービスは、さまざまな運営団体が運営し、大きく分けると「一般企業」「弁護士事務所」「労働組合法人」の3種類に大別することができます。運営元によって料金やサービス内容が異なるため、あなた自身の目的や状況に合った退職代行を選ぶことが大切です。
アクション | 労働組合法人 | 弁護士事務所 | 一般企業 |
---|---|---|---|
会社への通知 | できる | できる | できる |
即日退職 | できる | できる | できる |
会社との交渉 | できる | できる | できない |
裁判の代理人 | できない | できる | できない |
料金相場 | 2~5万円 | 5~20万円 | 1~5万円 |
上記の表の通り、労働組合法人や一般企業は、割とリーズナブルな相場である反面、弁護士事務所は割高感があるのがわかりますね。それぞれの運営元の料金相場について見ていきましょう。
一般企業の料金相場は1~5万円
一般企業が運営する退職代行サービスの料金相場は、1~5万円であることがほとんど。中には、1万円を切る価格でサービス提供を行っている業者も存在します。とはいえ、運営元が一般企業のため、あまりに料金が安すぎる業者は、すぐに事業を廃止しているのが現状。半年前に7,000円で退職代行を請け負っていた業者のホームページは、閉鎖されていて、連絡先の電話番号も使われておらず、連絡が取れません。
一般企業の場合、他の運営元が運営する退職代行サービスと異なり、業務範囲が限られるため、退職後の転職サポートを行ったり、アフターサポートの面で手厚さを出そうとしている業者が多く見られます。料金相場の範囲内でサポートがしっかりしている業者を選ぶと良いでしょう。
価格重視やサポートを重視する人におすすめです。
労働組合法人の料金相場は2~5万円
労働組合法人が運営する退職代行サービスの料金相場は、2~5万円が一般的。なかには、一般企業と同等金額でサービス提供を行っている業者も存在します。とはいえ、労働組合法人は、退職代行を行うことがメインではなく、「組合員である労働者の権利を守ること」が本来の役割です。労働組合のスキームを悪用し、退職代行を行っている業者が少なからず存在し、非弁行為に抵触するのでは?といった意見も散見されます。
労働組合法人の場合、裁判の代理人以外のことはほとんど依頼者に代わって交渉が可能なため、特に人気を集めています。労働組合としての運営実態がしっかりと確認できる業者を選ぶのが無難といえるでしょう。
全体的なコスパを重視する人におすすめです。
弁護士事務所の料金相場は5~20万円
弁護士事務所が運営する退職代行サービスの料金相場は、5~20万円と幅広いのが特徴的。弁護士事務所の知名度や専門性などによって、良心的な料金の事務所もあれば高額な料金の事務所も存在します。
弁護士事務所の場合、他の運営元と異なり、依頼者の要望にすべて対応できる強みと専門性を持っています。会社とのさまざまな交渉にとどまらず、万が一の訴訟トラブルにも対応できるのは弁護士ならでは。しかし、弁護士事務所の場合、他の運営元と比べても料金的に割高になってしまうことがほとんど。会社とトラブルや訴訟リスクを抱えている人は、弁護士事務所に相談し、信頼できそうな業者に依頼するのが良いでしょう。
とにかく確実性や安心感を重視する人におすすめです。
退職代行の料金相場は3~5万円が妥当なところ
運営元によって、料金相場は異なりますが、退職代行サービスとしての料金相場は、3~5万円が妥当なところ。もちろん、退職代行業者として、適切にサービス提供を行っているのであれば、安いに越したことはありません。
しかし、あまりにも価格が安すぎる業者は、サービスが適切に提供されないリスクも同時に抱えているでしょうし、料金が高すぎる業者は、あまりにもコスパが悪すぎて、現実的ではありません。
依頼者が求めるサービス内容によっても若干の誤差はありますが、結論として、3万円~5万円が退職代行サービスの料金相場といえるでしょう。もし、退職代行の見積もりを取ったとき、料金が適切かどうか見極める際に参考にしてください。
退職代行業者のサービス内容の違い
退職代行サービスは、「一般企業」・「弁護士事務所」・「労働組合法人」の3つの運営元にわかれ、料金相場以外にサービス内容にも違いがあります。
アクション | 労働組合法人 | 弁護士事務所 | 一般企業 |
---|---|---|---|
会社への通知 | できる | できる | できる |
即日退職 | できる | できる | できる |
会社との交渉 | できる | できる | できない |
裁判の代理人 | できない | できる | できない |
アフターサポート | 少ない | なし | 手厚い |
上記の通り、運営団体によって、サービス内容が異なることがお分かりいただけるでしょう。
それぞれの運営元の特徴について見ていきましょう。
一般企業は会社交渉できない分、利用しやすい
一般企業運営の退職代行が会社と各種交渉をすることは弁護士法に違反します。有給や未払い給与などの交渉は一切できません。「退職の意思を会社に通知すること」のみが可能な業務です。
≫【非弁リスク】退職代行の非弁行為とは?|業者選びの3つの注意点
退職の意思を伝えている会話の流れで、交渉してしまうこともありますが、もちろん違法行為に当たります。特に退職代行業社対策を講じている会社の場合、「本人の申告以外、受け付けません」と門前払いされることもありまし、あえて交渉されるように会話をコントロールしてくる会社も。違法行為が行われれば、退職代行業者側が罰せられるだけでなく、退職の手続きを続けることが難しくなり、退職自体が失敗に終わってしまうリスクが存在します。
とはいえ、比較的安価で転職サポートなどのアフターサービスが充実している業者が多く、退職から転職まで対応してほしい人やアルバイトやパートの方からの問い合わせが多く、他の運営元よりも利用しやすい傾向にあります。
労働組合法人はコスパよく会社と交渉可能
労働組合法人が運営している退職代行サービスは、比較的安価で、2万円~5万円が相場。さらに一般企業とは異なり、以下の各種交渉が行えるのがメリットです。
- 有給休暇の取得申請
- 未払い賃金の支払い交渉
- 残業代の支払い交渉
- 退職金の交渉
- 離職票等の発行要請
労働組合法人の場合、依頼者が組合加入後、労働組合の「団体交渉権」を行使し、依頼者の代わりに会社側とさまざまな交渉を行います。特に職場環境が劣悪な場合、本人の口から退職を切り出すことが難しく、会社の言いなりになってしまっている場合も。ブラック企業や劣悪な職場のいかんを問わず、労働者としての権利を守るために対応してくれるのが特徴です。
万が一、裁判沙汰になった場合は、代理人としての対応が難しくなりますが、会社側の経営に大きな影響を与えるトラブルなどを起こさなければ、基本的に裁判を起こされることはありません。
労働組合法人が運営する退職代行サービスは、一般企業並みの料金相場であるにも関わらず、これまで弁護士しか対応できなかった部分も「団体交渉権の行使」で対応することができ、コストパフォーマンスが最も高いのが特徴。正社員やブラック企業に勤めている方の利用者が増えています。
弁護士事務所は退職から裁判までワンストップに対応可能
弁護士が運営する退職代行サービスは、会社との各種交渉を始め、裁判時の代理人も対応可能。裁判に発展する事例として、以下の内容が挙げられます。
- 引継ぎ業務を拒否し、取引先を失った。
- 引継ぎ拒否が就労規則違反
- 社外秘資料を外部に漏洩させた
- 会社の重要な機密情報を漏洩させた
- 有期契約期間内に特別な理由なく
- 同僚などの引き抜き行為
- 経費による留学や研修直後
弁護士事務所が運営する退職代行サービスの大きなメリットは、対応サービス範囲が広いこと。退職時のさまざまな交渉や退職届の代筆といった、弁護士ならではのさまざまなメリットを享受することができます。しかし、残業代の請求や未払い金の精算を始めとし、基本サービス以外の追加オプションで別途費用することが多く、最終的に費用が10万円を超えていたなんてことも…。
「退職するなら損害賠償を請求するぞ!」と脅されていたとしても、会社側の経営に大きな影響を与えるトラブルを起こさなければ、基本的に裁判を起こされることはありません。「弁護士」と聞いて、手のひらを返したようにすんなりと退職手続きをおこなってくれる会社もあるため、確実に安心して退職したい場合や他の退職代行サービスで失敗した人がセカンドオピニオン的な意味で利用する傾向が見られます。
失敗しない退職代行業者の選び方
一口に退職代行といってもサービス運営元もさまざまで、中には悪質な業者も…。
そこでこの項目では、失敗しないための退職代行業者の選び方を解説していきます。
具体的に重要な業者選びのポイントは、以下の5つ。
- 交渉の有無
- 適切な料金
- 対応速度
- 信頼性
- アフターサービス
上記の5つのポイントのうち、特にどこを重視するかによって利用すべき退職代行業者が異なります。
実際にそれぞれの内容について見ていきましょう。
選び方1. 交渉の有無
実は退職代行サービス=一般会社ではなく、以下の3つの団体によって運営されています。
- 労働組合法人
- 弁護士事務所
- 一般企業
名前は同じ「退職代行」でも運営元によってできる内容が異なります。
「思っていたのと違った」とミスマッチしないためにも違いを理解しておきましょう。
各運営元とサービスの違いは以下の通り。
比較項目 | 労働組合法人 | 弁護士事務所 | 一般企業 |
---|---|---|---|
会社への通知 | できる | できる | できる |
即日退職 | できる | できる | できる |
有給休暇の消化 | できる | できる | できない |
残業代などの請求 | できる | できる | できない |
裁判の代理人 | できない | できる | できない |
料金相場 | 2~5万円 | 5~20万円 | 1~5万円 |
会社との交渉ができるのは「労働組合法人」と「弁護士事務所」だけ!
どの退職代行サービスでも「〇〇さんが退職したいと言ってます」と会社側に伝えることは問題ありません。
しかし、会社側との交渉やトラブル対応が可能かどうかに関しては、サービス会社によって対応できないことも。
退職したい旨を伝えた場合、「辞めさせない」・「退職届を受理しません」などと言われてしまうことも。
退職代行を利用してもブラック企業の場合、退職できないことがあります。
退職に際して、有給を消化させない・残業代を支払わないといったケースも。
一般企業の場合、交渉ができないため、退職失敗するケースがほとんど。
誤って交渉しようとすると弁護士法に抵触する恐れも。
労働組合法人の場合、「団体交渉権」を行使して会社側と交渉可能。
しかし、労働トラブルなどに関しての交渉は、おこなえません。
弁護士事務所の場合、弁護士法に則り会社側と交渉可能。
労働トラブルや訴訟まで依頼者をサポートすることができます。
≫退職代行を利用する前に気をつける3つの注意点
トラブルの有無を問わず、会社を確実に辞めるには交渉できる退職代行サービスを選ぶのが無難と言えるでしょう。
一方でトラブルになり得る可能性がある場合は、弁護士事務所が運営している退職代行サービス一択です。
したがって、退職代行サービスを選ぶ際は、「どの種類の運営元が運営しているか」に注目しましょう。
選び方2. 適切な料金
退職代行サービスの料金は2万円~10万円と幅広い料金設定になっています。
一般企業や労働組合法人が運営している退職代行サービスであれば2万円~5万円がほとんど。
弁護士事務所が運営している退職代行サービスだと5万円~10万円に設定しているところが多くあります。
弁護士事務所の退職代行料金が高い理由は『損害賠償請求などに対する裁判の代理人』を行えるから。
一般企業や労働組合法人の運営している退職代行サービスでは、裁判に関する対応はすることができません。
したがって、弁護士事務所のほうが高い料金になるのもうなずけることでしょう。
とはいえ、筆者自身の体験談も含めて、裁判に発展するケースはまずありません。
- 会社の機密情報を無断で持ち出した。
- 会社の商品などを横領または流用した。
- 競合会社に営業秘密を漏らした。
上記の例のように会社の経営に損害を与えるような行為をしていない限りは、裁判沙汰になるケースはほとんどありません。
一方で超絶ブラック企業の場合はどうでしょうか。
退職するだけであれば、一般企業や労働組合法人が運営している退職代行サービスでこと足りるかもしれません。
しかし、パワハラやセクハラなど、退職者側が慰謝料の請求などを申し立てる際は、弁護士事務所に退職と引き続き対応してもらったほうが無難と言えるでしょう。
以上のことから、勤務先にトラブルの元となるものがなければ、一般企業や労働組合法人が運営している退職代行サービスの内容で十分と言えますね。
選び方3. 対応速度
退職代行サービスを提供している会社は数十社とありますが、大きな差が出るのが対応速度。
問合せのメールやLINEを送って数分でレスポンスのある業者もいれば、数日間連絡がない業者も。
特に問合せをして返信が来るまでの時間は、不安に押しつぶされそうになり、いつもより長く感じる人がほとんど。
返信がなるべく早いに越したことはありませんが、大手と言われる業者でも返信が遅れることもあります。
- 9:00~18:00(平日のみ)
- 10:00~21:00(日・祝)
- 24時間対応(365日無休)
退職代行業者によって受付時間は上記のようにさまざま。
できる限り24時間対応が望ましいところではありますが、レスポンスだけが早くても不十分です。
対応だけが早くて、実はあなたの要望が叶えられないまま退職の連絡を入れていたなんてことも少なくありません。
受付時間は一応の目安としつつもあなた自身の不安をぶつけてみて、レスポンス良くしっかりと対応している業者に依頼するとよいでしょう。
選び方4. 信頼性
退職代行のサービスレベルの高さ≒運営実績ともいえます。
運営実績は、これまでの退職代行件数を見ればある程度の予測はつくことでしょう。
とはいえ、実施件数がいくら多くても件数を稼ぐことに注力していて、対応が事務的な業者は選択肢から外すのが無難。
「とりあえず退職はできたけど、モヤモヤする」といった後味の悪い退職になってしまいかねません。
信頼性の面においては、以下の3点を参考に業者選びのポイントとしましょう。
- 弁護士が退職代行サービスを行っている
- 弁護士監修のもと、サービス提供範囲が明記
- 運営実態のある労働組合が運営
退職代行業者の中には、「業界最大級」と謳っているものの実績を開示しない業者や運営元が不明な会社もよくあります。
あなたの人生をよく分からない業者に任せられますか?
もちろん、任せられませんし、安心してお願いできるとも言い難いですよね。
業界最大手でなくともきちんとした運営実績を明示している業者を選ぶのがポイントといえるでしょう。
選び方5. 支払い方法
退職代行業者選びで意外とネックになるのが支払い方法。
実は良心的な業者とそうでない業者が分かれるポイントでもあります。
いかに頼れそうな業者であっても支払い方法が銀行振込のみだったらどうでしょうか?
ユーザーの利便性を考慮できていない企業本位の業者と見られてもおかしくはありません。
- ヤバい業者:銀行振込のみ
- 一般的な業者:銀行振込・クレジットカード決済
- 良心的な業者:複数の支払い方法や分割払い・後払いなど
手元に現金はあるけど、万が一を考えて、手元の現金はなるべく使いたくはないもの。
なるべく支出をおさえたい利用者の心理にきちんと寄り添ってくれる良心的な業者は心強いものです。
支払い方法は、2種類以上存在する業者や支払いに融通の利く業者を選ぶほうが無難と言えるでしょう。
【まとめ】基本は労働組合運営サービス!心配であれば弁護士運営を選ぼう!
退職代行サービスは「一般企業」「弁護士」「労働組合法人」の3つがそれぞれ運営しています。「一般企業」「労働組合法人」の料金相場は2万円~3万円、「弁護士」の料金相場は3万円~10万円です。
安さで見ると「一般企業」「労働組合法人」が魅力。しかし「一般企業」では会社との交渉が認められていないため、有給や未払い給与などの交渉ができません。「労働組合法人」であれば、労働組合法で会社と交渉する権限が認められているので、最もコストパフォーマンスが高いといえるでしょう。
会社から損害賠償請求される可能性があったり、上司のハラスメント等があった場合は弁護士が運営する退職代行サービスが安心です。ただし、一般的な労働者であれば会社から裁判を起こされることはほとんどありません。
自身の状況に合わせて「労働組合法人」又は「弁護士」が運営する退職代行サービスを選びましょう。裁判を起こされる可能性が低い一般的な労働者であれば、安価で交渉まで依頼できる「労働組合法人」が運営する退職代行がおすすめです!